ビアレッティ・マッキネッタの使い方。おいしいエスプレッソを淹れてみよう
見た目もおしゃれなイタリア・ビアレッティ社のモカ・エキスプレス。イタリアでは『モカ』とか『マッキネッタ』と呼ばれています。
イタリアでも最近は家庭用カフェマシンが普及していて、このマキネッタを使っている人は限られています。
家を出て学生同士で共同生活をしている若い子とか、キャンプに出かけたときなど。
でも見た目がかわいいし、 なんだか本格的なエスプレッソが淹れられそうで思わず買ってしまったという方も多いのではないでしょうか。
今日は、私がイタリアでイタリア人に教わった『マッキネッタを使った美味しいエスプレッソを淹れる方法』を説明していきたいと思います。
この方法でコーヒーを淹れたら、イタリア人の料理上手な友達に「誰がこのコーヒー入れたの?おいしい!」と言われたんです!フフフ。
- マッキネッタとは
- ①エスプレッソ用に挽かれたコーヒーを用意
- ②マキネッタのタンク部分に水を入れる
- ③網目の部分にコーヒーを入れる
- ④しっかりとネジ部分をしめる
- ⑤火にかける
- ⑥コーヒーが沸き上がる
- ⑦すぐ飲む。
- ⑧洗うときは洗剤を使わずに
マッキネッタとは
このマッキネッタを見たとき『こんなんでどうやってコーヒーを入れるの?』と思った方もいるでしょう。
マキネッタは下のタンク部分に水を入れて火にかけ、その水が煮立ってコーヒー部分を通過して(語彙…)出てくる。というしくみです。
イタリアの市場ではノーブランドのマッキネッタも売られていますが、イタリア人はだいたいビアレッティのものを使ってます。1杯~6杯くらいまで淹れらるサイズが揃ってます。
イタリアの家庭では朝、自分たちが飲むように2杯分のマッキネッタが1個、大勢で食事をしたとき用に6杯用が一個、という風に 使い分けていました。
でも、今はカプセルや挽いた豆、チャルダ(ざぶとんみたいなの)で淹れられるマシンを使っている家庭が多いですね。
でもマッキネッタは直火式、そしてこれ1つでエスプレッソが淹れられるので便利なんですよ。キャンプや夏のバカンスに持っていく人も多いです。
ではさっそく、マッキネッタの使い方を説明していきます!
①エスプレッソ用に挽かれたコーヒーを用意
コーヒー豆はできればエスプレッソ用に惹かれたものを用意しましょう。
エスプレッソ用のコーヒーはペーパードリップ用のものよりもかなり細かくを引かれています。画像はビアレッティのコーヒーです。
カルディなどでも豆をエスプレッソ用に挽いてくれはしますが、うーん…というものが多く。ラヴァッツァかなんかでいいので、イタリアのメーカーのものをお買い求めいただくのがいいかと。
②マキネッタのタンク部分に水を入れる
水の量は諸説あるのですが、私は南部マテーラ出身の友人が行っていた『じょうご部分を入れたときにうっすら水がにじみ出るくらい』の量でやってます。
こんな感じですかね。
なお、エスプレッソを淹れるときは水道水を使ってます。なぜならイタリアの水は硬水。イタリアのコーヒーには硬水が合うと思っているので、水道水です。
③網目の部分にコーヒーを入れる
じょうごの網目部分にコーヒーを淹れます。山盛り。
これも諸説あって、つぶさないようにという人もいますが、私が教わったのはすり切りくらいまで入れたあと、山盛りになるようにふんわりのせて軽く押さえる感じ。
軽い山盛りって感じですかね。少ないのはダメですが、あとはできあがりの濃さの好みにもよるので、調節してみてください。
押したらダメ、 と説明している日本語のサイトもありましたが、もともとイタリアのバールでエスプレッソを入れるときはぎゅっと押しているので、私としては軽く押していいと思っています。
そしてくれぐれも2と3の順序を逆にしないように。じょうご部分に先にコーヒーを詰めてしまうと、タンクに水を入れられなくなってしまいます。
④しっかりとネジ部分をしめる
タンク部分に上部を接続します。ネジになってるので、しっかりしめましょう。
この締めが甘いと火にかけたとき、コーヒーがあふれ出てきてレンジ周りが悲惨な状態になるので注意してください。
⑤火にかける
本体を火にかけます。火口が大きすぎる場合は五徳(ごとく)をのせましょう。
中火より少し弱いくらいがベスト。マッキネッタの大きさによって調整してください。
火を強くし過ぎると、私のマッキネッタのようにプラスチック部分が溶けてしまいます。ひえー。
ちなみにイタリアのガス台は4つあるのが普通なのですが、いまもこのマッキネッタ用の小さい火口が用意されています。
⑥コーヒーが沸き上がる
タンク内の水が沸騰するとコーヒーとしては湧き上がってきます。
上部が8割程度満たされたら火を止めます(余熱でもあがってくるため)。
⑦すぐ飲む。
暖かいうちに飲みましょう。
エスプレッソは熱々のうちに飲むもの。アメリカンのように新聞を読みながらゆっくり飲むというものではありません。
イタリアではバリスタがコーヒーを入れる間、 お客さんが砂糖の袋をもって待ち構えていることがよくあります。
とはいえ、コーヒー豆にこだわっているバリスタだと『砂糖を入れたらだめ!コーヒーの香りが台無しになる』といって砂糖を入れさせなかったりしました。
エスプレッソ(急行)は『さっさと飲むから』という説もあります。
イタリアのバールでのんびりしていて、目を離すとその間にバリスタが片付けているということもしばしばでした。
⑧洗うときは洗剤を使わずに
マッキネッタが冷めたら水洗いします。洗剤は使わないように。
なぜかというと、洗剤がわずかでも残っていると火にかけたとき、泡が出てくるからとか、コーヒー味が損なわれるからだそう。
洗剤を使わないとマキネッタにコーヒーの色がわずかに残りますが、こうやって金属臭がなくなって、使い込んでいったマッキネッタの方が美味しいコーヒーを淹れられるというのがイタリア人の考え方でした。
同じようにバールで飲むコーヒーも。あまりお客さんが少ないバールだと、1日に入れるコーヒーの数が少なく、そのぶん美味しいコーヒーを飲むことができない……という考え方をする人も。
ちなみにバールのコーヒーのマシンは1日何杯入れたかカウントする機能がついていることが多いです。
こんな感じでイタリア人はコーヒーを淹れています。誰かのお家で食事をすると、最後に『Chi vuole un caffè ?(コーヒー飲む人?』と聞かれました。
食後だけではなく、集中したいときや頭痛がしたときなどにも飲んでいます。本格的なイタリアのエスプレッソを試したい方は是非、試してみてくださいね。
以上、ビアレッティ・マッキネッタの使い方でした!